と呼んでいます。
私は、何かおいしいお菓子でもくれるのかなーと思って
ぴょんぴょん行ってみると、息子が太ったおじさんの施術を
していて、どうしていいのかわからなくなったみたいでした。
腰痛や首痛があるらしいこのおじさん。
首が凝ってガチガチなので「ガチおじさん」と名づけました。
ガチおじさんは、あぐらをかいて背中を丸くしていたので
私からは顔が見えませんでした。
私は背中越しに少し話しを聞いたりしながら首と背中を触診
してすぐにこう言いました。
「血圧高いんじゃないですか?」
「はい、下が120で上は200超えてます」
「おおっ、そうですかー」
予想が見事に当たりました。
息子は私の言うことが当たったのでびっくりした様子でした。
私の予言や宝くじはいつもハズレルことを知っている息子です。
今回だけは私も少し偉そうに振る舞いました。
「お仕事は何をなさっているんです?」
「タクシーの運転手です」
「そうでしたかー、さっきの人のご主人も運転手さんでした」
「今日は仕事はお休みですか?」
「いいえ、血圧が高くてドクターストップかかってんのっしゃ」
「あらら」
「薬は飲んでいるんですか?」
「はい」
「では、ここにゴロンと寝てみてください」
荷物と布団の間の狭いすき間にガチおじさんが寝転がりました。
私は足裏や足指を揉んだり押したりして、どんな感じなのか
聞きました。
「どうですか、こんな風にしてもらうのは?」
「はい、いい気持ちです」
「それは良かったです」
「足揺らしを少しやってあげようか」
私は息子にバトンタッチしました。
息子のゆらしもなかなか上手になってきた感じがしました。
いつになっても、練習させていただいてありがたい。
そんな気持ちで取り組んでくれる人になるように、
まずは自分からやらないといけませんよ私。
つづく