私を待っていました。
奥さんらしい人と三才位の子供が、そばでちょろちょろ
遊んでいました。
私が来る前に息子がいろいろと操法はやってみたようでした。
基本的な操法では気持ちよさが味わえなかったのか、
私がアサリじぃと話しているときに何をやったらいいのか
聞きにきたのでした。
その時私は肩甲骨周囲のコリを見つけてやってみるよう指示
しました。
息子はそれも含めていろいろとやってみて、再度私を呼びに
きたのでした。
ヘルニアの男性は、腰が痛くて右足がシビレるらしく、
整形でブロック注射も何度かやってもらっているとのことです。
私は右を上にして横になってもらいました。
この姿勢が楽そうに見えたからです。
そして右臀部を静かに少しずつ押してみました。
コリコリで硬くなっています。
「押されるのはどんな感じですか?」
「はい効きますねー」
「痛気持ちいいといいんですけど」
「はい、いい感じです」
「そこが最初痛くなって、それからシビレるようになったんです」
「そうですかー」
「足がすーっと温かくなってきました」
「奥さん、こんな風にときどきやってあげてください簡単だから」
私は奥さんが知らん振りしてあっちを向いていたので、笑って
そう言いました。
奥さんはちらっと私の方を見たのですが、相変わらず
「私はできないわ」みたいな雰囲気であっちを見ました。
私は奥さんも心身共にあちこちツライから、それも仕方ない
かー、と思い、
「奥さん、やさしそうだらきっと後でやってくれますよ」
奥さんに聞こえるように言って押しました。
奥さんが初めて少し微笑みました。
完